トランスジェンダーのお子さんのいる保護者の方への年末年始ガイド

保護者の方への年末年始ガイド

 

年末や年始は、親戚や友人などの訪問や集まりなどの機会が多く、周囲の人々にカミングアウトをしていないお子さんにとっては、非常に辛く、孤独を感じやすい時期でもあります。皆さんのお子さんが、少しでも快適に年末年始を迎えられるよう、以下に提案をいたします。

 

まずは、お子さんが年末年始に向けて不安やストレスがないか、どの様な心配事を抱えているのか話を聞いて、年末年始のプランを話しあいましょう。
例えば、親戚の家への訪問がお子さんにとって大きな負担になる場合は、お子さんの訪問を回避させる、或いは、滞在時間を短くするなどして、その代わりにお子さんが楽しめることが出来る時間を作ってみましょう。
お子さんが、家族以外の人達から何と呼ばれたいか、お子さんに確認しましょう。家族から周囲に予めカミングアウトしてしまったほうが楽に感じられるかもしれませんが、カミングアウトはあくまでも本人の意思で行われるべきで、強制的なカミングアウトは本人を著しく傷つけます。
お子さんが望んでいないにも関わらず、お子さんを戸籍上の名前で呼んだり、お子さんが望まぬ服装を強制したりせず、お子さんが快適に過ごせる様に心掛けましょう。お年玉袋には、必ず通称名など、お子さんが呼ばれたい名前を記入しましょう。
誰かがお子さんを戸籍上の名前で呼んでしまった場合には、静かに新しい名前を口にして正しましょう。お子さんにとってあなたの味方は重要です。この場合、詳しい説明をする必要はありません。どうしても説明が必要と感じられる場合には、後日改めてお子さんの居ない場で良質な情報のある本などを添えて説明すると良いでしょう。
お子さんの性別に関して否定的なことを言われたり、プライバシーに関わる不快な介入を受けた場合には、「それについて話したくない」と、はっきり意思表示していいですし、または、話題を変えたり、その場を立ち去る、訪問を切り上げ退出する選択も時には必要になるかもしれません。
ただし、お子さんが自発的に自分の性別について話したい、周囲の人たちに知ってもらいたいということであれば、是非お子さんの意思を尊重し、応援しましょう。
最終的には、お子さんが極力負担を感じることなく、安全に、ハッピーに、年末年始を迎えられることがゴールです。